その昔、西武百貨店のコピーで
「不思議、大好き。」というものがありましたが、
時代が移ってもやっぱり不思議は面白い。
ちょうど90年代中盤、
そんな不思議を家庭に持ち込んでくれた存在の一つが、
この「U-CAS」 でした。
強力な磁石である「台」と「コマ」を使い、
それぞれの磁気力をもってコマを浮かすこのおもちゃ。
付属品には「コマの重量を調整するウエイト」や、
「台の角度を調整するくさび」などが入っており、
それぞれを活用しながら安定浮遊するポイントを探っていくのでした。
しかし、実際にやったことのある方ならお分かりの通り、
この「安定浮遊」がなかなかうまくいかない。
ちょっと浮いたら横に飛んでしまったり、
そもそもうまく浮かなかったりと、悪戦苦闘しました。
しかしながら、
地場の中にある一点のポイントにハマると、
驚くほどすうっとまわり続ける。
本当に「よくできた不思議」だったことを覚えています。
きれいに浮くと、こんな感じ。
動画で撮影してらっしゃる方もいました。
美しく浮いていますねー。
まさに「UFO」とでも言いたくなるような動き。
発売元は、東京・台東区にある
「増田屋コーポレーション」というおもちゃメーカー。
なんと江戸時代に創業された、歴史ある企業のようです。
TVでもおなじみの「ピコピコハンマー」や、
知る人ぞ知る「モーラー」などもこの企業の商品。
さらには、リズムを取ってうごく動物おもちゃの定番
「楽しい仲間」シリーズを生んだのも、
この増田屋コーポレーションさんだそうです。
人のもつ好奇心と3世紀にわたって
向き合ってきたからこそ生み出せる、数々の名作。
U-CASもきっと、その一つだったのでしょうね。